泌尿器がんについて

がんは、全身のあらゆる臓器に発生します。泌尿器も例外ではありません。
前立腺、腎細胞、腎盂、尿管、膀胱、精巣などに生じ、進行すると命に関わります。
多くの方がご承知のことと思いますが、がんは早期発見し、早期に適切な治療を行うことが大切です。
初期段階では目立った症状が出ないことも多いので、定期的に人間ドックなどを受け、膀胱や前立腺などの状態を確認するようにしましょう。

膀胱がん

膀胱がんは、泌尿器がんの中では最も発生頻度が高いと言われており、尿路がんの約半数を占めています。
初期の段階ならば治癒も十分に期待できますが、進行した場合の5年生存率は芳しくありません。
なお、膀胱がんは、尿路上皮ががん化することによって引き起こされると言われ、およそ9割近くが尿路上皮がんというタイプです。

このようなときは当院をご受診ください

  • 痛みを伴わない赤褐色の尿が出た
  • 一日に何度もトイレに行きたくなる
  • 排尿時に痛みがある
  • 尿の色が混濁している
  • 排尿後にも尿が残っている気がする
  • 腹部に痛みや違和感がある
  • 排便時にも出血がみられるようになった

など

膀胱がんの治療

膀胱がんの治療につきましては、外科的治療、化学療法、放射線療法などがあります。
このうち外科的治療には、主に経尿道的膀胱腫瘍切除術と膀胱全摘除術の2つがあります。
前者の場合は、腰椎麻酔をかけて膀胱鏡で腫瘍を観察しながら、がんを電気メスで切除します。
後者の膀胱全摘術の場合は、全身麻酔下で膀胱を摘出します。
化学療法では、全身抗がん剤治療や膀胱内に抗がん剤を注入する膀胱内注入療法があります。
放射線療法は合併症があり手術ができない患者様、高齢者などを対象に行われます。

前立腺がん

前立腺がんは、比較的に進行が遅く、自覚症状があまりみられないので、がんが大きくなって膀胱や尿道を圧迫し、排尿トラブルや血尿などが出るようになってから初めて気づくケースが多いです。
初期の段階ならば非常に治療成績が良いのですが、進行すると、がん細胞が骨やリンパ節に転移してしまい、完治が難しくなります。
そのため、自覚症状が現れる前に発見し、治療することが大切です。
具体的には、定期的にがん検診を受けることをお勧めいたします。

治療に関していうと、がんの進行度などによって異なります。
限局性の前立腺がんと診断された場合は、主に前立腺全摘除術を行います。
局所進行性の前立腺がんの場合は、ホルモン療法と放射線療法を組み合わせる治療が基本となります。
このほか、まだ初期の前立腺がんであるという場合は、過剰な治療を避けるため、定期的な検査のみ行っていくケースもあります。

精巣がん

精巣がんは、文字通り精巣に発生するがんであり、多くは精子の元になる細胞が変化したものです。
比較的まれながんと言われているのですが、ほかの多くのがんとは異なり、20歳代後半~30歳代にかけて発症のピークがあります。
この年代は進行が速いケースが多いので、注意が必要です。
精巣がんでよくみられる症状は、片側の精巣の腫れや硬さの変化です。
ただし、早期に痛みが出ることは少ないので、かなり進行してから気づくといったことがよく見受けられます。
また、比較的に短期間で精巣がんは転移を起こします。
その転移によって生じた症状から、実は精巣がんがきっかけだったということがわかったということもあります。